なごみ園(なごみ農園)

静岡県掛川市で30年以上、農薬・除草剤・化学肥料の不使用にこだわったお米とお茶を作っています

育て方

お茶の育て方について解説していきます。
当園では、茶葉の生育から荒茶製茶までを一貫して行っています。

除草剤などを使用しない為、冬季~収穫の時期まで定期的に草刈りを行っています。
また、茶畑に入れる雑草や藁は当園内の除草剤・農薬を使っていないものを使用しています。

1. 有機肥料 (雑草、藁) の投入

冬の間に稲刈りで出た藁 (ワラ) や茶畑の周りにある雑草を茶樹の間 (畝間) に入れていきます。
これが世界農業遺産にも登録された茶草場農法です。味や香りが良くなると言われています。
参考:掛川観光協会HP - 静岡の茶草場農法

茶草場農法

茶樹の間に刈り取った雑草や米の藁などを入れる静岡県伝統の手法

2. 茶樹の刈り揃え

新芽が出る前に夏~秋の間に生えてきた葉や枝を刈り揃えます。

刈り揃え

古い葉が無くなる程度まで刈ってしまいます

3. 遮光用の覆い布設置 (かぶせ茶、玉露)

かぶせ茶と玉露は収穫前に日光を遮断していきます。玉露の方が遮光率を高くします。
遮光することでアミノ酸などの旨味成分が増え、渋みの元となるタンニンが減少します。
また遮光布は、収穫の直前に外していきます。

遮光布の設置

玉露は製法が異なるだけで同じ種類のお茶の木からできています

4. お茶刈り

茶葉が十分に成長したら刈り入れを行います。
最近では乗用のお茶刈り機もありますが、当園では二人で刈り取るバリカン式のお茶刈り機を使用しています。
狭い場所や急勾配などの乗用が入れない場所でもお茶を育てられます。

お茶刈り風景 お茶刈り機

一袋に20~30kgほど刈り入れていきます

5. 製茶

刈り取った茶葉が痛まないようにすぐに送風機へ入れて冷やして製茶工程に移ります。
冷やしておかないと茶葉が赤黒く焼けてしまいます。

送風機

1台に200kg程 (軽トラック1台分程度) の生の茶葉が入ります

5.1. 蒸し・冷却

まずは、茶葉を蒸気で蒸していきます。その後は冷却されて次工程を待ちます。

蒸し工程

右にあるのがボイラーです

5.2. 粗揉

温風を送りながら、クワのような刃が付いた機械で揉んでいきます。

粗揉工程

強く揉むことでお茶の繊維を柔らかくしていきます

5.3. 揉捻

茶葉に圧力を加えながら更に揉み込んでいき、水分を一定にしていきます。

揉捻工程

上の重りの位置を調整しながら最適な圧力を掛けて揉みます

5.4. 中揉

揉捻した茶葉に熱風を当てながら更に揉みます。

中揉工程

回転するドラムの中にある突起で揉まれます

5.5. 精揉

熱と圧力を掛けながら棒状に形を成形していきます。

精揉

リズミカルな音をたてて成形されます

5.6. 乾燥

出来上がった茶葉を乾燥機で乾燥させていきます。
この時の乾燥温度を上げると香ばしい「火入れ茶」になりますが、当園ではお茶の甘味を感じて頂くために低温で乾燥させています。

5.7. 選別

乾燥させた茶葉を、葉の部分・芽の部分・茎の部分に分けていきます。
それぞれが、なごみ茶・かぶせ茶・玉露、粉茶やクキ茶、クキ茶となります。

6. 袋詰め

出来上がったお茶を専門の業者に依頼して袋詰めします。
真空パックや窒素置換などで密閉することで酸化を抑え、美味しい状態を保つことができます。

包装状態

種類や内容量ごとに袋詰めします